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KOBAYASHI LADIES CLINIC

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よくあるご質問

婦人科の治療

 月経時以外の出血はポリープ、膣炎、びらん、子宮ガンなどが原因の場合もありますが、心配のない出血として、排卵期出血というのがあります。排卵期には卵巣から出る卵胞ホルモンの分泌が急激な変動をすることによって子宮から出血が起こる場合があり、通常2~3日以内で終わることが多く、量は月経の時ほどはありません。
 また、排卵期出血の場合、子宮頚管からのおりものが増えたり、腹痛があることもありますし、基礎体温も参考になります。排卵期出血と思われても、あまりに長い、量が月経くらいあるなど、異常と思われた時や繰り返し起こる場合は婦人科を受診しましょう。たまたま排卵期に一致して他の原因で出血していることもありますので、子宮ガン検診なども受けておきましょう。
 繰り返す出血や生活に支障をきたす場合にはホルモン治療が効果的です。
 おりものは婦人科を受診する訴えで非常に多い症状の一つです。個人差があり、異常はないのに体質的に多い方も少なくありません。正常でもおりものは変化します。
 月経が順調な方では始まって2週間位の時期に透明な粘っこいおりもの(卵の白身のような)が数日続きます。これは排卵の時期の正常なおりものです。月経前の1週間位はうす黄色いおりものが少し増えます。
 閉経後や良性の子宮腟部びらんでもおりものは認められ、必ずしも治療は必要としません。病的なものとしては、黄色いおりものの場合、トリコモナス腟炎、クラミジア感染症、淋病などが考えられますし、かゆみが強く白いかすのようなおりものなら、カンジダ腟外陰炎が考えられます。また子宮ガンなどの悪性腫瘍の初期症状としておりものが認められることがあるので注意が必要です。
 カンジダはカビ(真菌)の一種で生体内に常在しており、普段は病原性が弱く、見つかっても常に症状があるとは限りません。性交でうつるのは少なく、免疫力の低下時、たとえば、疲労、病気などで体の抵抗力の低下している時や、かぜ薬、抗生物質を使用している場合、高温多湿の環境(例えばパンスト、ジーパンの着用)、妊娠などの際に菌が増殖し、症状が現れます。
 症状はかゆみに加えて、白いカッティーズチーズや酒かす様の粒々がまじっていたり、緑がかったおりものがあったり、外陰部の皮膚が赤くなり、腫れたりします。膣内を洗浄し、薬を入れ、外陰部に軟膏やクリームをぬることで治ります。
 クラミジア感染症は性行為により起こり、若い女性に多く見られます。80%は無症状ですが、おりもの、出血、腹痛などで見つかることがあります。
 子宮の入り口を擦る検査や血液検査で検出され、抗生剤を服用することで治ります。放っておくと、子宮や卵管それに続く骨盤内の炎症がおこり、腹腔内癒着の原因となり、時に激痛が起こったりします。また、将来の不妊症や流早産、子宮外妊娠を引き起こしたり、妊婦がかかっていると新生児の結膜炎や肺炎の原因にもなります。
 男性の場合は50%が無症状ですが、性器が痛い、膿が出るなどの症状が出ることもあります。男女で同時に治すことが重要です。
 月経中には、誰でも多少とも頭痛、腰痛、下腹部痛などの不快感があり、これらの症状が病的に強い場合を月経困難症といいます。
 月経困難症は、性器に炎症や、子宮筋腫、子宮内膜症などがある器質的なものと、病的変化を伴わない機能的なものとに分けられます。
 機能性月経困難症は、骨盤内の充血、子宮の発育不全、心因性のものなどが原因です。特に若い女性では、月経に対する嫌悪感や不安などによる心因性のものが多く、年とともに痛みがひどくならない限りは、機能性のものと考えてよいでしょう。鎮痛剤を上手に使うことや漢方薬、低用量ピルなどで症状を抑えます。ただし、器質的疾患があるときは放置したために病気が進行することがあります。
 婦人科を受診して異常がないことを確かめておくとよいでしょう。
 月経の量には個人差がありますが、多すぎる(通常は150ml以上の出血)場合を過多月経と呼び、血液検査で貧血があったり、生活に支障をきたす場合は、治療の対象になります。
 問診に加えて内診、超音波、血液検査などで診断されます。原因は成熟期にみられる子宮筋腫、子宮内膜症、内膜増殖症、内膜ポリープなどや10代若年者に多いホルモンの分泌異常などがあります。出血しやすい血液の病気が原因のこともあります。自己判断は難しい場合があり、レバー状のかたまりが増えたり、月経の度に量が多くなっているなどは要注意でしょう。
 ホルモン療法や貧血治療、手術、子宮内膜掻爬などで治します。
 俗に「おでき」と呼ばれている「せつ」は細菌感染によっておこり、赤く腫れて、化膿して痛むのが特徴です。
 原因菌は黄色ぶどう状球菌などで湿度が高いほど繁殖しやすく、毛穴や小さな傷口から感染します。女性ではジーンズやパンスト、ナプキンなどによってむれやすい外陰部にできやすいのです。
 抗生物質の内服薬に加え、塗布薬で治りますが、切開を要することもあります。温めたり刺激を加えたりすると周囲に広がりやすく、食生活でも飲酒はもちろん、わさびやからしといった刺激物をとらないようにすることが大切で、予防には、外陰部や肛門を清潔に保ち、通気性のよい服装を心がけましょう。
 子宮の入り口(頚管)の粘膜より発生する病変で、様々な大きさのものがあり、複数個見つかることもあります。
 無症状のことが多く、検診で見つかることが多いですが、不正出血、特に性行為の刺激により出血することもあります。
 炎症性刺激などによって子宮頚部上皮が増殖してできたもので、ほとんどが良性ですが、稀に異形成や癌性変化のみられることもあります。根元をねじり切ることで痛みは伴わずに簡単に切除できます。麻酔も必要なく、数秒で終了します。切除したら悪性でないかどうか病理検査に提出します。
 その後また新たにできてくることがあるので、子宮癌検診をかねて産婦人科を受診しましょう。
 月経が近づくと体や心の不調を感じることはありませんか?手足や顔のむくみ、頭痛、下腹部や乳房の張りや痛みなどの身体症状やイライラする、うつっぽくなる、注意力が散漫になる、疲れやすく眠くなるなどの精神症状があらわれ、月経が始まると次第に治まっていくのが月経前症候群(PMS)です。
 遺伝的要因、性ホルモンに対する感受性、脳内神経伝達物質がその成因に関わっているようですが、詳細は明らかではありません。不快症状を和らげるには、食習慣や睡眠の改善、有酸素運動、入浴、アロマテラピー、ストレッチング、自律訓練法などのリラクゼーションによるセルフケアが効果的です。
 また薬物療法としては鎮痛剤、精神安定剤、漢方薬、ホルモン療法などがあります。毎日の生活のなかで自分にあった治療法をみつけることが症状の改善のための近道です。
 子宮癌検診といえば一般には子宮の入り口(頚部)にできる癌すなわち子宮頚癌の検査で、頚部を綿棒などでこすり、細胞を採取し、それを顕微鏡でみて診断します。その結果、悪性ではないけれど本来そこには見られない細胞(異型細胞)がある場合、疑陽性と診断されます。
 期間をおいての再検査、HPV検査あるいは精密検査の対象となります。HPV検査は子宮頸がんを引き起こす可能性の高いウイルスの感染の有無を調べます。精密検査は子宮頚部を拡大鏡でみながら、何ヶ所かを数ミリ程度づつかじりとる、狙い切除(生検)を行い、組織を病理検査に提出します。
 検査は簡単ですが、結果が重要です。多くは子宮頚部異形成という病名で心配ないのですが、なかには治療が必要な場合もあり、また癌が見つかることもあります。
 子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、30歳代後半以降の3~4人にひとりの割合でみられ、若い人にも珍しいものではありません。女性ホルモンが関わっており、月経のある年齢では、数が増え、大きくなることがあります。
 無症状がほとんどですが、月経量が増えたり、月経痛が強くなることがあり、貧血の原因にもなります。圧迫症状として、腹痛や腰痛、便秘や排尿障害が出たり、また、不妊症や流産の原因となることもあります。超音波検査で診断されます。経過観察だけでいい場合が多いですが、手術が必要なこともあります。症状を軽くしたり、一時的に筋腫を小さくするため薬を使うこともあります。
 つらい月経痛や性交痛、時として不妊の原因となる子宮内膜症の治療には薬物や手術による方法があります。痛みに対しては、鎮痛剤を上手に使うことや漢方薬を服用することで症状を和らげます。
 月経と関連があるので、ホルモン剤の点鼻薬や内服薬、注射で一定期間月経を止める方法(偽閉経療法)、最近では低用量ピルにより人工的に月経周期をコントロールする方法(偽妊娠療法)、新しい治療薬としてのプロゲスチンを連日服用する方法(黄体ホルモン療法)などがあります。
 手術療法には内膜症の病巣除去や癒着剥離、卵巣の内膜症性のう胞に対する手術、子宮や卵巣などを摘出する根治術などがあります。
 40歳前半で月経が無くなることを早発閉経といい、女性の1%弱にみられるとされています。ダイエットやストレスによる無月経とはちがい、原因として、染色体異常、卵巣の放射線被爆、抗がん剤による障害などがありますが、不明なことが多く、自己免疫疾患のひとつともいわれています。
 症状は、卵巣機能が低下しておこる女性ホルモン欠乏によるもので、更年期症状、骨粗しょう症、生殖器の萎縮、性交痛、皮膚の衰えなどです。診断は血液中のホルモン測定や卵巣組織の病理検査、自己抗体検査などがあります。
 自然に月経や排卵が回復する可能性もありますが、その確率は低く、また回復するかの予知は困難です。治療は女性ホルモン補充療法を行うことが一番重要ですが、ホルモン剤を周期的に投与して月経様出血をおこす方法や、排卵誘発剤を使うことによって、妊娠が成立するケースもあります。
 不正性器出血とは、月経(生理)以外の性器からの出血をいいます。不正出血の原因は多様ですが、大きく分けてポリープや炎症など、原因となる組織または状態が存在するものと(器質性出血)と、ホルモンの異常によるもの(機能性出血)があります。
 器質性出血では、その組織あるいは状態を取り除かなければ、出血は治まりません。またその状態は病的であることが多いので、不正性器出血がある場合には、まず、この器質性出血ではないかどうか、確認し治療する必要があります。
 この中で生命に関わるもっとも重大な病気はガンです。ガンまで進んでいなくてもその前の状態でも出血はおこります。若い女性でも性行為をすれば、子宮頸ガンになる可能性がありますし、年配の女性で閉経後しばらく経って出血がある場合は、子宮体ガンの可能性があります。ぜひ産婦人科を受診しガンの検査を受けてください。
 子宮の入り口や内部にできるポリープはガンとちがい良性の腫瘍ですが、出血を来したり、生理の出血が多くなったりします。
 それ以外に多い出血の原因として、炎症があります。炎症をおこす原因としては、若い方の場合、クラミジアやカンジダといった病原体の感染の可能性があります。 病気ではありませんが、妊娠できる年齢の女性では、妊娠は常に念頭に置かなければなりません。妊娠に伴う出血は流産、切迫流産、子宮外妊娠、胞状奇胎などで起こります。少し遅れて生理が来たと思ったら、出血も痛みもいつもと違う、あるいは、いつまでも出血が続くという場合には要注意です。
 年配の方では女性ホルモンの低下によって膣粘膜が萎縮し、分泌物が少なくなることによって、ちょうど手の皮脂が少なくなってひび割れや、あかぎれをおこすのと同じ様な状態でちょっとした刺激で出血を起こすことがあります。この場合は、女性ホルモンの入った膣錠を使うことによってすみやかに改善します。
 器質性出血では、婦人科以外の疾患も考えられます。例えば、性器出血との訴えで来院された方で、実は血尿だったり、肛門からの出血ということもあります。この場合は、泌尿器科や内科、外科と連携して対処します。
 これらの病気ではないことがはっきりし、また閉経前の女性であれば、ホルモンの異常による出血、機能性出血を考えます。機能性出血は図に示すような規則正しいホルモンの分泌が行われないときに起こります。時に多量の出血を来したり、少ない出血が何日も続くことがあります。ホルモン剤や排卵を促すような薬で治療します。
 卵巣にできる袋状の良性腫瘍で、その中身によって分類されています。
 髪の毛や歯、骨、皮膚などが含まれている「類皮のう腫」、サラッとした液体がたまる「漿液性のう腫」、ドロドロした内容の「粘液性のう腫」などがあります。
 子宮内膜症が原因で起こるものは、内膜の組織や血液が溜まって変色したもので「チョコレートのう腫」といわれます。ほとんどは自覚症状はなく、年齢を問わず検診や別の病気の検査で見つかりますが、下腹部に違和感や痛みを感じたり、腰痛の原因になることもあり、さらに突然激しい痛みが起こることもあります。
 症状や大きさによっては手術が必要な場合もありますので定期的な経過観察は必要でしょう。
 冷え性というのは、日本人女性特有の症状のようで、欧米人にはあまりないといわれています。
 冷え性による冷たさは不快な冷たさで、氷雫下のように痛いとか無感覚になるような冷たさではありません。冷え性は自律神経の失調により起きたり、心理的トラブルにより起きたりします。この他、甲状腺機能異常や女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏によって起こることもあります。そのため、19歳未満と50歳前後のいわゆる更年期に多く見られるのが特徴です。
 治療としては甲状腺機能異常の治療やホルモン療法、漢方薬など原因によって様々です。ビタミンEや末梢循環を良くする薬なども有効です。日常生活においては、座って長時間仕事をする場合などは足下を暖かくするのも解決策の一つです。
 膀胱炎は女性に多い病気のひとつです。男性に比べて尿道が短いためおこりやすいといわれ、外陰部についている大腸菌などの細菌が膀胱へ入り増殖して炎症をおこすことが原因です。
 排尿時の絞るような痛み、残尿感、頻尿が典型的な症状で、尿の濁りや血尿、発熱などを伴うこともあります。尿検査では白血球や細菌、潜血などがみつかります。
 治療としては、まず水分をたっぷりとり、たくさん排尿することが最も重要です。さらに抗生物質を数日間のむことで通常は良くなります。しかしながら再発することも少なくありません。日頃からトイレを我慢する人や水分をあまりとらない人は要注意といえます。
 また便秘がちな場合、疲労や体調不良時、性交後に排尿せずに寝ることも膀胱炎をおこすきっかけとなり得ます。日頃からちょっとした心がけが大事です。

不妊治療

結婚して1年たっても妊娠しなかったら、婦人科を受診されることをお勧めします。
 まず1ヵ月「基礎体温」をつけることから始めます。排卵の有無や時期の推定ができたり、ホルモンのバランスがわかります。
 「超音波検査」では子宮の形、大きさ、奇形や筋腫の有無、内膜の状態を調べます。卵巣の状態をみたり、発育卵胞径の計測をすることで排卵の有無やタイミングがつかめます。
 血液による「ホルモン検査」も重要です。卵胞発育を促す卵胞刺激ホルモンや卵の成熟、排卵に関わる黄体形成ホルモンの値を調べます。プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)の値が高いと排卵や着床の障害をおこすことがあります。卵胞ホルモンは排卵期に頚管粘液を増加させて精子を誘導したり、子宮内膜に働きかけます。黄体ホルモンは排卵後の卵巣から分泌され、受精卵の着床環境に影響します。分泌が悪いと、着床しにくくなり、妊娠しても初期に流産することがあります。甲状腺ホルモンも基礎代謝や排卵、着床、妊娠に関わります。
 「抗精子抗体」は子宮頚管粘液などに存在し、精子の運動を抑えたり、受精を阻害したりします。
 「フーナーテスト」は排卵期に性交数時間後の子宮頚管粘液を採取して、その性状や粘液中の運動精子の状態をみることで頚管粘液と精子との相性をみる検査です。
 卵管の通過性検査としては「子宮卵管造影」があります。子宮口から造影剤を注入し、子宮の内腔の状態と卵管の疎通性、周囲の癒着の様子などを確かめます。
 骨盤内に炎症や癒着をおこす原因として特に若い女性に多く認められる「クラミジアやその他の感染症検査」も必要です。
 「精液検査」も重要で、精子数が少なかったり、運動率が低い場合、妊娠しにくいことがあります。
 以上の検査をひととおり受けてから治療を受けることが大事と思います。
 基礎体温測定はホルモンの働きを知る簡便で体に負担のない検査法です。
 まず普通の体温計より目盛が細かい婦人体温計と基礎体温表を準備します。薬局などで購入できます。
 寝る前に枕元に置いておき、朝目が覚めたら体を動かす前に舌の下にくわえ、測ります。それを表に写し、折れ線グラフにします。基礎体温から何が分かるのでしょう。
 まず排卵しているかどうかあるいはおおよその排卵日が分かります。成熟婦人では、排卵を境に低温相と高温相が2週間程度あるのが普通です。また高温相が3週間続けば妊娠の可能性があります。
 低温がずっと続いている、温度が毎日バラバラ、高温相が短いなどの場合はきちんとホルモンが働いていないかもしれません。ただ測り方を間違っていたり、体温計の調子が悪いだけのこともあります。花粉症や風邪などでも温度は上がることがあります。
 不妊症にはひと通りの検査をしても明らかな原因がみつからない場合が10~20%あり、これを原因不明不妊あるいは機能性不妊といいます。この場合、どのような治療を行うのでしょうか。
 一般には第1ステップとして超音波検査等にて排卵時期を推定し、性交を行うよう指導する性交タイミング指導から開始します(5~6周期)。排卵期を正しく把握していないカップルが意外に多いといわれています。
 第2ステップとして経口あるいは注射による排卵誘発剤に人工授精(夫の精子を直接経膣的に子宮内に注入する方法)を組み合わせる過排卵刺激・人工授精法を行います(5~6周期)。
 それでも妊娠に至らない場合は、第3ステップとして体外受精・胚移植を行います。体外受精・胚移植法は卵を採取し体外にて精子と受精させ、子宮内に受精卵(胚)を移植する方法です。
 このステップアップ治療法は基本的な方針であり、若いカップルや不妊期間が短い場合は原則的に第1ステップから開始します。ただ妻が32歳以上、不妊期間が長い(4~5年以上)場合、また既に治療を繰り返しているケースなどでは第2ステップ、第3ステップからといった治療法の選択もあるでしょう。
 特に体外受精・胚移植においては、通常の検査ではわからない妻の加齢による卵の質の低下や精子の機能異常などによる受精障害の例に対して、受精しているかどうか、胚の発育は順調かどうかを確認できるといったメリットがあります。
 いずれにしてもご夫婦で十分に話し合いをしながら、医師に意向、希望を伝え、相談した上で治療を受けられることが重要です。
 近年晩婚化や早期の妊娠を望まないカップルが増えていることも原因不明不妊の増加の一因であり、妊娠しにくいのかなと思ったら早期に専門医を受診されるのがよいでしょう。
 排卵は性成熟期の女性に原則として毎月起こる現象です。
 排卵があるかないかは基礎体温をつけることでおおよそわかります。低温相と高温相が交互にあれば、生理不順でも排卵があることがほとんどです。
 生理があっても無排卵周期症といって排卵が起こっていない場合もあります。いつ排卵しているかは基礎体温だけでは判断が難しく、排卵の時期は血液や尿の検査によるホルモン値測定や超音波検査で確認することができます。
 排卵は妊娠のためには不可欠ですが、妊娠を望まない女性にも起こります。排卵はホルモンが分泌されているひとつのバロメーターなのです。
 産婦人科では更年期障害や月経痛、月経不順などに漢方薬をよく処方します。
 不妊症に対しても原因が子宮内膜症や腹腔内癒着、卵管閉塞などの明らかな器質的異常に対しては効果はあまり期待できませんが、ホルモンや免疫系などの機能的異常に対しては漢方薬には西洋薬の弱点を補う働きがあり、併用すると有効なことがあります。たとえば、排卵障害や受精卵が子宮内に着床しにくい黄体機能不全、流産を繰り返す不育症、西洋医学的に原因不明の不妊、精子数の減少や運動率が低いなどの男性因子に対して用いられます。
 症状や原因に応じた漢方薬を処方してもらいましょう。
 不妊症の原因は様々ですが、日常生活においてそれを予防できることも少なくありません。どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
 まず、女性の年齢について考えた場合、医学的にみた出産適齢期は存在しますが、女性の社会進出や価値観の多様化により、晩婚や晩産化の流れは明らかであり、それは不妊症の増加につながります。加齢により、卵巣機能は低下し、妊娠しても流産率が高くなります。また、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患にかかるリスクが高まるからです。
 さらに、現代の生活習慣の変化も不妊の一因となっています。バランスの良くない不規則な食生活に注意しましょう。無理なダイエットは生殖機能に影響を及ぼしますし、肥満も排卵障害の原因となります。喫煙は健康を損なうのみならず、不妊の原因となります。アルコールを飲みすぎる習慣や睡眠薬、精神安定剤の多用もホルモン異常の原因となります。
 また最近増加している性感染症、特にクラミジアや淋菌によるものは性器の炎症を引き起こし、それは骨盤内の癒着や卵管の閉塞の原因となります。これらは若年化しており、将来の不妊症につながります。過度なストレスやセックスレスも一因でしょう。
 日常的に心身の健康の維持、増進に努めましょう。

更年期・プラセンタ

 まず最初に断っておかなくてはならないのは、「プレ更年期」という医学用語はなく、ごく一部の産婦人科医師がこの言葉を使いはじめ、これをマスコミが引用して広がっているのが現状であるということです。
 直感的に更年期になる前という意味で使ったのかもしれませんが、更年期のように卵巣の老化による卵巣ホルモン欠乏を起こす状態とはまったく関係がありません。更年期が差し迫っているとの誤解を招くように思え、現在は少なくとも医師が使うのは適当でない言葉だと思います。
 前置きはさて置き、三十代の若い女性でも突然、何らかの原因で卵巣の働きが悪くなると、卵巣ホルモン(エストロゲン)欠乏状態になり、更年期障害と同じような自律神経失調症状(ほてり、のぼせ、動悸、発汗など)が起こってきます。そのときには月経が不規則になってくるので比較的自己診断も容易ですし、卵巣ホルモンを整える薬剤が産婦人科にあるので処方してもらえばよく効きます。
 これは卵巣自体の老化が人より早く始まっているというのではなく、卵巣での排卵を促す脳からの刺激ホルモン(卵巣刺激ホルモン)が、一時的にアンバランスになっているためであり、こうした状態は多くの外的刺激に左右されて起こります。昔から強いショックやストレスを受けると一時的に月経がなくなったり、不規則になったりするのはこれに当たります。これらの外的刺激が解消されると症状も自然に軽快し、月経も回復してくるのはよく経験することです。
 これらとは別に、最近のストレス過多の社会では、若い女性にも(更年期の女性も)卵巣機能の低下と直接的に関連のない社会的な環境や個々の性格からくる自律神経失調症状や精神神経症状(不眠、不安、抑うつ、孤独感など)が出やすい環境にあります。
 これは直接、卵巣ホルモンと関係しないので、ホルモン治療を行ってもよくなりません。心療内科や精神神経科などの専門医のアドバイスや治療が必要な方も多くいます。
 このように若い女性の自律神経失調症状や精神神経症状では、卵巣ホルモンが欠乏していることも、欠乏していないこともあります。いずれにしても外的ストレスに対する反応として出ている症状である場合が多いので、ストレス解消法として生活のリズムを変える(仕事や休養のペースを考える、適度な運動、趣味を生かすなど)、ストレスを克服するための心療内科や精神神経科などの専門医のカウンセリングを受ける、必要に応じて自律神経調整剤やホルモン剤、向精神薬などの薬物療法を受ける、などが解決策になるでしょう。
 最近、アンチエイジングという言葉を目にする機会が多くなりました。ドラッグストアの広告や店頭で、あるいはテレビショッピング、女性週刊誌でもアンチエイジングサプリとしていろいろな商品を取り扱っています。その多くは見た目の老化を抑えることを目的としていますが、アンチエイジングはいわゆる単なる若返りということではないのです。では、エイジング(加齢)とはどういうことなのでしょう。
 一般にいわれる「加齢」とは生物学的な加齢をいい、生体の中で進行する物理学的な加齢のプロセスが作り出した劣化現象が蓄積した結果、他覚的・自覚的に認められる変化が不可逆的に身体や精神の中に出現してくるプロセスであり、この結果が不可逆的に蓄積されたものが「老化」であるそうです。この加齢、老化はなぜか不均一に進み、個人、もしくは臓器によっても著しい不均一性が認められます。
 アンチエイジング(抗加齢)医学とは、この過程を研究し、これを制御して、結果として老化現象の病的進行を抑制しようとするものです。最近では老化現象の解明は多方面からのアプローチにより、かなり進んできています。100歳以上の超高齢者に対する機能的・形態学的な研究から、諸臓器のバランスのよい生理的な老化は、多くの人に見られる病的な老化と比べて進行が穏やかであることがわかってきました。つまり、老化現象のかなりの部分が病的でアンバランスな老化であると言うことが知られてきたのです。このアンバランスな老化に対する医学が抗加齢医学であり、従来からの疾病の医学が対象としていた病気の治療から、健康な人のさらなる健康を指導するいわばプラスの医療で、究極の予防医学といえます。言い換えれば、元気に長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学ともいえます。単に寿命を延長するのではなく、長寿の質が重要であり、たとえ何らかの病気を持っていても、「元気で長生きできること」が目標です。
 いわゆるサクセスフルエイジングとは、疾病や障害の原因となりうるリスク因子が少ない状態、認知および身体運動機能を良好に保持している状態、人生に対して積極的に関与している状態の3つの要素から成り立っているといわれます。そのためには脳血管疾患や骨関節疾患のないこと、非喫煙、適正体重を保つ、運動習慣をもつ、生活習慣病の対策、老化に対して肯定的なイメージを持つことが大切で、社会全体としてそれらをサポートする取り組みが必要でありましょう。
 個人的に今すぐ実践できることとして、100歳を超えての今も現役バリバリの聖路加国際病院の日野原重明先生が実践される生活習慣が参考になるのではないでしょうか。すなわち、小食、植物油をとる、階段は1段飛びで、速歩、いつも笑顔を、首を回す、息を吐き切る、集中する、洋服は自分で購入、体重・体温・血圧を測定する、そして若い人と接する、などです。以上のことを明日から、いや今日から早速はじめましょう。

健康診断

 結婚前の貴女、婦人科はちょっと受診しにくいと思っているのでは?
 でもこの際、自分の身体について総点検を受けてはいかがでしょう。それがブライダルチェックです。
 子宮、卵巣に筋腫や内膜症などの異常はないかどうか、ホルモンバランスは大丈夫なのか、きちんと排卵しているかなど問診、血液検査や超音波検査などでチェックできます。子宮癌の早期の発見および治療にも検診は重要です。
 高知の若い世代に多いことがわかった性感染症、特にクラミジア、淋菌、カンジダ、ヘルペスについても検査をすることが重要です。妊娠を考えている場合は、胎児に影響を及ぼす風疹や梅毒、肝炎ウイルスの感染の有無についても調べることができます。
 今すぐ結婚の予定がない人もぜひ一度婦人科を訪れてみてください。
 産婦人科においては超音波検査は非常に有用で、あらゆる疾患の診断に不可欠です。おなかの上からあるいは経膣的の2種類があり、触診や内診だけではわからない異常もチェックできることが数多くあります。
 それではどんな場合に有用でしょうか。まず子宮や卵巣の性状がわかります。たとえば子宮筋腫の部位や数、大きさなどを診断できます。子宮内膜症の存在がわかることもあります。卵巣腫瘍の有無やその像から悪性かどうかも推定できる場合があります。また、これらの経過をみていくにも役立ちます。排卵時期の推定もできるし、妊娠中にも有用です。
 流産や子宮外妊娠の診断をはじめ、胎児の推定体重、性別、姿勢や早産の予知、胎盤の異常など挙げれば数え切れません。一般の婦人科検診やブライダルチェックにも有用です。何よりも副作用がないのが大きなメリットです。
 風疹は俗に「三日ばしか」と言われるように一般的には軽い病気ですが、風疹の抗体をもっていない妊婦が妊娠の1ヶ月前から妊娠12週迄の間に風疹にかかると約2割の胎児に「先天性風疹症候群」といって未熟児で出生したり、心臓、眼、耳に奇形などの生まれつきの異常が見られます。どうしたら予防できるのでしょうか。
 風疹ワクチンは非常に効果的で、接種を受けた人のほぼ95%に生涯の免疫ができます。しかも副作用は小児の場合ほとんどないか現れたとしても軽微です。過去に風疹になったかどうかよくわからない場合でも接種を受けても差し支えありません。風疹といわれていたことがあっても、確定的でない場合は接種を受けるべきです。また、その方がより確実に免疫がつきます。
 また、このワクチンは生ワクチンなので妊娠の予定があったり、妊娠してからでは接種できません。先に述べましたようにこの時期は胎児に影響の出るおそれがあるからです。だからこそ妊娠するおそれのない時期に接種することが大切なのです。
 このワクチンは個別接種ですので、体調の良いときに接種を行っている医療機関を受診して、できるだけ早く接種を受けてください。

ピル

 ピルには避妊効果以外に身体にいい効果が数多くあることがわかっています。ピルを服用してまず一番に実感できることは、月経に伴う不快感が少なくなることでしょう。生理痛、腰痛、頭痛などはかなり軽くなることが期待できます。月経の日数も短くなる傾向があり、月経不順が解消され、貧血もおこりにくくなります。
 また、様々な疾患にかかりにくくする効果もあり、骨盤内感染症、良性乳房疾患や卵巣のう腫が減少しますし、卵巣癌や子宮内膜癌になる確率が服用しない人の半分以下になるともいわれています。これらの癌は50代から多く発生しますが、ピルの効果は服用を止めてからも15年以上続くといわれています。
 旅行やレジャー、スポーツに最適な季節の時、月経がその行事と重なりそうで不安や憂鬱なことがありますよね。月経をホルモン剤の服用で一時的にずらすことができます。
 遅らす方法としては、予定月経の1週間前頃より毎日服用し、月経が来てもいい時まで続けます。早める方法としては月経終了頃より1週間程度服薬します。
 いずれも中止後数日たつと次回の月経が来ます。副作用は主なものとして吐き気があり、遅らす方法ではその行事中も服用することになるので、つらい時があります。
 はじめての方は1か月前からずらした方が安心です。具体的に医師の指示を受けましょう。